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理想主義について [ネイタルアスペクト]

心の防衛メカニズムとしての理想主義について。

心理占星術では個人的な領域を司る太陽、水星、金星で理想主義が形成されると考えます。

①太陽、水星、金星の二つ以上の組み合わせで、合が形成されること。
②太陽、水星、金星の間でミューチュアルレセプションがあること
③太陽、水星、金星がミッドポイントで関わること

このうちのどれか一つでも当てはまれば理想主義的な傾向が強まります。
従来の占星術でも太陽と関わると
その天体の持つテーマにおいて主観的になりやすい、という解釈があります。
そもそも水星は太陽から28度以上、金星は48度以上、離れることはなく
太陽、水星、金星の組み合わせの合を持つ人は多いです。

理想主義は、誰もが社会と対峙するときに
大なり小なり持つであろう心の防衛機能です。

私たちは未経験のことにチャレンジするとき、
自分なりの理想の展開を思い描きますが
しょせんは自分のアタマの中のイメージの範囲内でしかないわけです。
当然、現実とのズレ、ギャップを感じることもあるでしょう。

しかし何の予備知識もビジョンもなく
いきなり外の世界と関わってしまうと
大きな痛みやダメージを被る場合もあります。
そのとき内面に夢やイマジネーションがあれば、
現実という壁にぶつかったときに傷つき過ぎないですみます。
人は誰でも無意識のうちに自分を守るための
理想パターンを形成し、外の世界からの影響に対処しているものです。

現実からかけ離れない程度の理想はむしろ必要なものでしょう。
しかし気づかないうちに理想のパターンにこだわってしまい、
なかなかはずせなくなるといった苦しみとも表裏一体です。
自分の狭い視野の中に閉じ込められてしまうのです。

たとえば
「33歳までに理想のパートナーを見つけて結婚し
36歳までに絶対に子どもを産む」など。
この数字に何の根拠もないのにも関わらず、
無意識にセットしてしまっています。
叶えられなければ、焦ったり不安になってしまうでしょう。

また木星と海王星も理想主義的な要素を助長しますが
これは、正岡子規のいう<理想>のイメージと近いように感じます。

子規は理想のことを

「一見現実の束縛を受けず、自由奔放に見えて、実は規制のイメージや
パターンに強く拘束されている。
勝手気ままのように思いながらルーティンの奴隷であり、
出来合いのイメージの規制や凡庸さから抜け出せない」と否定します。

そして「写生」こそは多様多彩だといいます。

「写生」は現状の把握や、現場をしっかり観察すること、
あるいは心と現実の間に横たわる
思い込みや幻想をはぎとり、しっかり物事に触れることなのでしょう。

私自身は太陽、水星、金星の組み合わせを持たないので
理想主義の傾向は強くはないのだと思います。
しかしながら、自分を振り返ってみると
自己防衛のパターンを持っていることに気づきました。

太陽と土星の合を持つ私のパターンは<自分には出来ない>です。
「あんたには出来ない」
「どうせダメに決まっている」は親の口ぐせでした。

世の中、そんなに甘くない。
失敗させたくない、無駄足を踏ませたくないという
親心だったのかもしれません。
実際のところ何もしなければ、失敗という苦い思いを味あわなくてすむので
自己防衛になります。

でもこの1~2年は、
「きっと上手くいかないだろうな。しかしダメもとでトライしよう」と一部分
発想の転換をするようになりました。

実際にやってみると、やってみただけのことはあり、
思いがけないレスポンスがあります。
些細なことですが新鮮な発見があり、大きな変化になりました。

自分自身の理想主義のパターンがどのようなものか
意識できると良いと思います。
他の人のパターンもホロスコープ全体を観ながら
一緒に発見できると良いですね。
意識できれば、少し変えてみよう、脱皮してみようと
固定観念をはずす契機になります。













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ままみ

すずさん、こんにちは!

自分らしい人生を造り拡張させる上で、現実主義と理想主義は、両輪のように意識した方が良い部分で、2つのバランスが取れている事が何よりですね。
地に足を付けながら、固定観念を外し脱皮を試みる。
どうすれば今よりもっとより良くなるか、現実的に考える。
実際にかみ合っているかどうかの判断は、人それぞれの主観によるところでもありますが、理想主義を表す天体と同時に、現実主義を表す土星などの天体も働いているかチェックしたい部分です。
悲観的過ぎても、楽観的過ぎても、現実に即しているものの見方とはかけ離れますし、残念な感じにならないように、私もある程度の客観性を持つよう心掛けたいです。

by ままみ (2013-06-03 15:28) 

lovingcirno

私は個人天体同士の絡みは少ないのですが(月-金星の合、太陽-火星の△のみ)、理想主義は強めです。
(理想主義と言うよりかは、「明確なビジョンを伴った」理想社会への想いと言った方が良いでしょう)

本題から脱線しますが、最大の理由は土星外天体との絡みが多すぎる事。
特に水星絡みが半端でなく、土天海冥全てがソフトで絡みます。
(オーブを緩くすればセミヨッドと小三角ももれなく付いてきます)
さらにダメ押しでリリス合(真位置の場合)、ASCが乙女等と水星の独壇場。
幼稚園でゲーム(スーパーファミコン)、小1でパソコンを使う等、
思い返すと幼少期からその片鱗が現れていました。

今年は五黄土星の変化の年。
そして13と言う数字も12で構成される占星術から見てもイレギュラー的な存在。
7月下旬のグランドトラインといい、今年はかなり期待してもいいかも。
by lovingcirno (2013-06-05 12:40) 

リマーナすず

☆ままみさん、コメントありがとうございます!

>実際にかみ合っているかどうかの判断は、
>人それぞれの主観によるところでもありますが、
>理想主義を表す天体と同時に、
>現実主義を表す土星などの天体も働いているか
>チェックしたい部分です。

そうですね。現実をしっかり認識するうえで
土星の働きは非常に重要だと思います。
海王星は物事を隠す働きをし、理想とは表裏一体である
嘘や欺瞞、偽善も司ります。
しかし見方を変えれば、つらい現実から
身を守るための保護膜の働きをしていることもあります。
やはりバランスが大事なのでしょうね。

>悲観的過ぎても、楽観的過ぎても、現実に即しているものの見方とは>かけ離れますし、残念な感じにならないように、私もある程度の客観性>を持つよう心掛けたいです。

客観性は、最近の私のテーマでもあります!
悪い状況だと思っていることでも
客観的にみれば、意外とそうでもない、感謝すべき部分が
見えるものですよね。


by リマーナすず (2013-06-07 14:40) 

リマーナすず

☆lovingcricoさん、コメントありがとうございます!

>私は個人天体同士の絡みは少ないのですが(月-金星の合、太陽-火>星の△のみ)、理想主義は強めです。
>(理想主義と言うよりかは、「明確なビジョンを伴った」理想社会への想>いと言った方が良いでしょう)

lovingcricoさんの明確なビジョンを伴った理想社会への思いが
果たしてどういうものなのかがわかりませんが、
理想を共有してくれる人が増えれば、現実味を帯びてくるのでは
ないでしょうか。

>本題から脱線しますが、最大の理由は土星外天体との絡みが多すぎ>る事。
>特に水星絡みが半端でなく、土天海冥全てがソフトで絡みます。
>(オーブを緩くすればセミヨッドと小三角ももれなく付いてきます)
>さらにダメ押しでリリス合(真位置の場合)、ASCが乙女等と水星の独>壇場。
>幼稚園でゲーム(スーパーファミコン)、小1でパソコンを使う等、
>思い返すと幼少期からその片鱗が現れていました。

今後、必要なことは経験でしょうね。
がんばってください!

by リマーナすず (2013-06-07 14:53) 

みねんこ

記事を興味深く読みました。
私のチャートでは、土星に180度で木星・海王星の合があります。土星と木星の両輪ですが、現実に適合するには社会の示すお手本をこなせばOKだ!というような理想含みのイメージかしらと思いました。

上手く使っていたときは、中高生の頃、予習復習すれば結果がついてくるという体験して、自ら進んで学習するクセがつきました。

大人になり実社会に出ると、この必勝パターンだけでは解決・クリアできない課題場面がたくさんあります。土星の感覚が強まって、”最善尽くしたはずなのにナゼ結果が出ない?”という体験が増えます。
このときに海王星の理想薬が効いて、心中では、”自分はやるだけやった(木星・海王星)、だからこれ以上は無理(土星)だろう”という諦め、”認められないのは社会ルールで融通がきかない周囲の問題じゃないか?”のような開き直りのあいだを揺れることも多かったです。

一時期、社会生活を困難にするほどまでに大きく揺れたのは、この天体グループが個人天体と絡まないので自分の主体性に繋がりにくかったからかもしれないな、と記事を読んで思いました。
海王星がかき混ぜた不安心理が沈静するのにかなり時間がかかりましたが、モヤモヤが吹き払われて社会と自分のかかわり方に落ち着き(客観性)がでた気がします。
by みねんこ (2013-06-11 16:54) 

リマーナすず

☆みねんこさん、コメントありがとうございます!

お返事おそくなってすみませんでした。
みねんこさんの体験をシェアしてくださって
ありがとうございます。

>大人になり実社会に出ると、この必勝パターンだけでは
>解決・クリアできない課題場面がたくさんあります。
>土星の感覚が強まって、”最善尽くしたはずなのに
>ナゼ結果が出ない?”という体験が増えます。
>このときに海王星の理想薬が効いて、
>心中では、”自分はやるだけやった(木星・海王星)、
>だからこれ以上は無理(土星)だろう”という諦め、
>”認められないのは社会ルールで融通がきかない
>周囲の問題じゃないか?”のような開き直りのあいだを
>揺れることも多かったです。

土星-海王星は社会の暗部に対する感受性の鋭さとして
働きますし、土星-木星のハードは
<定石を守って、真面目にやっているのに
なぜ自分だけ上手くできないんだ?>という
葛藤を持つ傾向が出ますよね。
木星・海王星は生の現実の厳しい触感から
心を保護しますが、過保護になってしまう傾向もあります。

>一時期、社会生活を困難にするほどまでに大きく揺れたのは、この天>体グループが個人天体と絡まないので自分の主体性に繋がりにくかっ>たからかもしれないな、と記事を読んで思いました。
>海王星がかき混ぜた不安心理が沈静するのにかなり時間がかかりま>したが、モヤモヤが吹き払われて社会と自分のかかわり方に落ち着き>(客観性)がでた気がします。

客観性(あらゆる次元の視点)を持つことができれば
強制的な星回りの影響もそれなりに理解し、
成長につなげることができると信じています。


by リマーナすず (2013-06-18 09:15) 

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