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<西洋占星術の起源>より古代ギリシャの受胎占星術について [妊娠・不妊]

大橋喜之さんが翻訳された
A.ブーシェ=ルクレール著
<西洋占星術の起源─
 古代ギリシャの占星術>が
どこを読んでも面白いです。
IMG_7767.jpg
充実した資料や図版。
大昔の占星術師たちの
思考の軌跡。
その理論や概念は
正直、難解です・・・

これまでは、
伝統占星術のさまざまな
<決まり>について、

「よくわからないけれど
 昔のエライ人が
 そう言っているので」と

無条件に受け入れていました。

しかしこの本を読めば
昔の人たちがどのように
考えていたのかが見えてきます。

とにかく興味深いのは
受胎に関しての章です。

プラトン主義者たちが
「受胎とは先住する魂が
 選んだ体躯に結びつく瞬間」
だと重要性を主張したため、
当時の占星術師たちは
受胎日時の特定という
涙ぐましい苦労をしています。

魂はいつ身体に宿るのでしょう。
受精したら?
着床したら?
妊娠前後の蝕のとき?
それとも出生前の蝕のとき?

プトレマイオスは
受胎時についての
教説を捨てており、
その後、占星術界は
誕生日時のホロスコープ研究に
シフトしていきます。

20世紀になって旧チェコの
産婦人科医であった
ユージン・ジョナス博士
(1928年11月6日-)
が当初は避妊の目的で
月相による受胎の研究を
発表しました。

そのメソッドが
現在、Fertility Astrologyの
主流になっています。

しかし今回この本を読んで
初めて知ったのですが、

<ペトシリスの規則>という

「受胎のときの月のサインが
 誕生のASC、受胎時のASCの場所は
 誕生時の月である」

という説は
バリエーションが豊富になり
アストロロジカル・
バースコントロールとして
現在も受け継がれています。

Emily Faugno氏が著作
「YOUR FERTILE HOURS」で
<ペトシリスの規則>とよく似た
実例を紹介していたので
昔から知っていましたが
ルーツがわかって嬉しいです。
こんなに大昔だったとは!

少し違うのは、
受胎時は特定できないので

①性交時のチャートであること、
 
②母親のASCのサイン・度数と
 性交時の月のサイン・度数を
 合わせること、

③性交時のASCを母親の
 太陽と月のミッドポイント
 に合わせること、

④その結果、性交時の
 太陽や月の位置が
 赤ちゃんのASCになること

という感じですが、
なんとか受胎時と出生時を
関連付けようとする
考え方は同じです。

すごく興味深いですが
妊活カップルにとっては
非常にストレスになります。
タイミングEDに陥る危険もあるので
あまり星の配置こだわり過ぎるのは
かえって逆効果かもしれません。

「西洋占星術の起源
 ─古代ギリシャの占星術─」
難解ですが、圧倒される著作です。
引き続き、紹介していきたいと
思います。

八坂書房HP
http://www.yasakashobo.co.jp/books/detail.php?recordID=765
翻訳者の大橋喜之さんのブログ
「ヘルモネゲスを捜して」
http://blog.livedoor.jp/yoohashi4/

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