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死期と死後の影響について② [シナストリー]

メリークリスマス!
そして今日は山羊座の新月ですね。
もう日付は変わってしまいましたが。

山羊座は冬至点に位置するサインで
エレメントは<地>、
クオリティは活動(創造)です。

射手座が培った視野の広さ、旺盛な向上心、
不特定多数の人との共鳴や交流といった
精神の高みを目指す柔軟の火を、
山羊座は社会という実際的な場に
引きずり降ろし、閉じ込めます。

山羊座では、今までの体験を
具体的な成果として、まとめていきます。
憧れや理想を着地させる。
中には淘汰されていく夢もあるでしょう。
自分に与えられた場の中で
しっかりと現実を見据えていくことが
山羊座のスタートになります。

今年、山羊座はつらい相談が多かったです。
私に「N太陽とT山羊座についての記事を書いてほしい」と
リクエストしてくださった方は、
心身ともにつらい時期を過ごされていましたが、
11月中旬、子供同然に可愛がっていたウサギを亡くされました。

家族の一員として過ごしてきた生き物の死は
つらいものです。
またよりによってなぜこのときに、、、というタイミングで
病気になったり、逝ってしまったりするものです。

今年の1月、愛犬が非常に稀な病気になってしまったと、
相談を受けました。
駐在員の夫の妻として、長年海外暮らしをされている方でした。
8年間という海外暮らしの精神的な支えになっていたのが
愛犬でした。今年、やっと帰任できる、その矢先の発症だったそうです。
飼い主の方はN太陽、N水星が山羊座にありました。
1999年生まれの愛犬は天秤座生まれです。

l3-1.gif
内円 飼い主の方のリロケーションチャート
中円 愛犬の出生図
外円 発症時のトランジット

発症時のディレクションは
○山羊座N太陽に山羊座T太陽T火星が0度
○山羊座N水星に天秤座T土星が90度
○射手座1度N月に水瓶座28度T海王星が90度
○蠍座22度N海王星に牡牛座24度T月が180度
○T水星、Tヘッドが山羊座初期度数

飼い主の方のホロスコープを
リロケーションチャートにして
愛犬のチャートを重ねた場合、

○ペット・健康運の6ハウスに
 T土星が運行。
 愛犬のN太陽は飼い主のチャートの
 6ハウスに位置し、T土星と合。

愛犬の出生時間は不明ですが

○N月の誤差が最小となる正午では
 獅子座28度にN月があり、
 獅子座29度のN金星と0度になり、
 T海王星と180度。

○飼い主の方のN月、Nヘッド、
 愛犬のN月、N金星
 T海王星、T月とで
 Gクロスを形成。

N月N金星に対するT海王星の180度で
延命治療中の方を見たことがありました。
N海王星-T海王星180度の世代の方でしたが
犬の11歳というのは人間でいうと
N海王星-T海王星180度世代(70代後半)と
考えて良いのかもしれません。

回復しますか?の問いに
良い返答はできませんでした。

「あなたが病気をしてもおかしくない
 星回りです。天秤座生まれの愛犬が
 肩代わりしてくれています。
 おつらいでしょうが、見送ってやる
 時期なのかもしれません。」

ヘッドフォンから嗚咽が聞こえました。
あれほど人を泣かせたことは、なかった。
藁にもすがる思いで、つないで来られたことは
痛いほど理解していました。
希望を持たせてあげられるような言葉を
かけてあげたかった。
なぜか、どうしても言えませんでした。
池田貴族さんとのことを思い出していたのかも
しれません。
ただ一緒に泣いただけでした。

愛犬の状況としては
 
●州で一番大きな大学の中の動物病院で
 最先端の治療を受けているとのこと。

●低ナトリウム血症のような病気で体内の塩分濃度を自分で
 コントロールできない症状だということ。

●非常にまれなケースで前例がなく、
 現在の投薬で回復すればケーススタディーで文献になるくらい
 未知であるということ。

●点滴を外すと死に至るということ。

●人間の薬を試させてほしいと医師にお願いしており、
 最後の治療の投薬は人間のものを使用するということ。
 犬用の薬はなく、医師にとっても初めての使用で
 効果があるかどうかわからないとのこと。

●安楽死を勧められているということ。

最後の投薬の日時と、苦しませず楽に送ってやれる日時を
エレクショナルしました。

安楽死。
金星や木星は8ハウス中に置いたほうが良いか。
新月や満月のころが良いか。

けれども病院の都合が優先されることが常で
医療の現場に占いを持ち込むことが難しいのも
理解していました。

飼い主の方は最後の投薬によって、
愛犬が苦しむことを一番恐れていました。

「あの子のこの世での役目が終わろうとしているのに
私のわがままのせいで、つらい思いをさせてしまっては可哀そう。」

何度もそう言っては泣かれました。

「無償の愛で、すべてをゆだねてくれているから、
 最善を尽くしましょう」

そうお答えしました。

3週間後、メールを戴きました。
愛犬は回復し、退院したという報告でした。
病名はいまだに特定できていないものの、
落ちついているとのこと。
あれほど見込みがないと言った主治医も
不思議がっているとのことでした。

私の鑑定は大ハズレしたのです。
嬉しくて、気持ちが晴れました。
けれど、すぐに申し訳ない気持ちで
いっぱいになりました。
未熟な鑑定で号泣させてしまったので。
もっと熟練した占星術師なら
この未来を見越したでしょう。
自分の見えているものが全てではないと
いうことです。

「なぜこんなに涙が出るか、わからず
母が亡くなったときでも、こんなには泣きませんでしたが、
いつか見送るときの覚悟が出来た気がします」

そう書いてくださっていました。

愛する生き物の死は、
もしかしたら、
肉親の死と同等か、それ以上に
泣けるものかもしれないですね。

ペットロスという言葉もなかった時代に
壮絶なペットロス体験を綴った文芸作品があります。

内田百間の<ノラや>です。

読まれた方はご存知でしょうが、
この本には失踪した飼い猫のことで右往左往し、毎日毎日
泣き暮らす百間先生の様子が描かれています。

大の男が猫ごときで、と失笑するか
涙なくしては読めないか、どちらかでしょう。

<・・・一献している間も何だか引き寄せられる様に
又風呂場へ行きたくなり、行けば又泣き出す。
ノラが帰らなくなつてからもう十日余り経つ。
それ迄は毎晩這入つていた風呂にまだ一度も
這入らない。風呂蓋の上にノラが寝ていた
座布団と掛け布団の風呂敷がその儘ある。
その上に額を押しつけ、いないノラを呼んで、
ノラやノラやノラやと云つて止められない。
もうよさうと思つても又さう云ひたくなり、
額を座布団につけて又ノラやノラやと云ふ。
止めなければいけないと思つても、
いないノラが可愛くて止められない。
 見つともないから泣き顔を隠したいと思ふけれど、
隠し切れぬ儘で又二人の前に戻る。>

全編がこの調子です。
私も猫好きですが、
「いい加減に泣き止んでちょうだい」と
思いました。

ところが自分ちの猫が行方不明になると
ひどく動揺し、泣きたい気持ちで
そこいらじゅうの電柱にチラシを貼って回ったりしました。
このとき、この<ノラや>が
すごく慰めになりました。
たかだかペットのことで、と悲しみを押し殺すことなく、
「これほどまでに悲しんでいいんだ、泣いてもいいんだ」と思えることは
大きいのです。
同じ悲しみを経験した人の存在は救いです。
思いを分かち合えるからです。
悲しい思いはできるだけした方が良いですね。
自分の悲しみはほかの誰かを救うかもしれない。
それはちょっとヘビーだ、というのなら
芸術に触れるのが良いです。
文芸作品は良いと思います。

内田百間は1889年生まれで海王星と冥王星の合を持ちます。
この世代の人の後世への影響力については
桁外れのものを感じます。

チャーリー・チャップリン、ジャン・コクトー、ヒトラー、
ニジンスキー、ハイデッガー、夢野久作、室生犀星etc...
クトゥルー神話のラヴクラフトは翌年の1990生まれで
やはり海王星・冥王星の合を持ちます。

大日本帝国憲法図もこの年ですね。

滑稽なほどの悲嘆を
包み隠さず言葉にし、
いつの時代も変わらない
動物との別れの悲しみに
寄り添い、後世の人を救っている。

ここまで書いて、
エピソードを紹介させていただいた
飼い主の方からメールの返信がきました。
ブログに書かせてもらってよいか
チャートをアップしてよいか
許可を願うメールを差し上げていたのです。

その後の愛犬(エルちゃんといいます。コーギーです)の近況ですが、
無事に帰国し、12歳の誕生日を日本で迎えることが出来たそうです。
病名もわかり、アジソン病という病気なのだとか。
アジソン病の注射の薬は日本にはなかったのですが、
何とか一年分の薬を持って帰ることが出来、
日本で元気に通院しているそうです。

本当によかったです。


ノラや (中公文庫)

ノラや (中公文庫)

  • 作者: 内田 百けん
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1997/01
  • メディア: 文庫



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RINA

メリークリスマス!!

先生素敵なブログ記事のクリスマスプレゼントをありがとうございます。

記事の中のワンちゃん、本当によかったです。長生きで来て本当によかった。

奥様も日本でワンちゃんと暮らしたかったですよね。

大変な状況を悲しい終わり方でなく、本当によかった!

本当に人の生死ってわからないものだと自分は周りを見ていて感じて居たのですが、ワンちゃんでもそういうことがあるのですね。

奇跡の生還話も多数ありますよね。

戦争で負傷して手術で内臓をほとんど摘出してしまったけどこんなに元気!と私の実家の地域の開業医の90歳の先生が地域新聞に出ていたり、渡辺淳一先生の「鈍感力」にも、子宮破裂で救急に運ばれてきた女性を当直医だった渡辺先生が執刀し、出血量から「もうだめだろう」と思い、しかも専門医でないため、手探りで子宮を縫い合わせた?つまり完璧な手当ができたとは思えない状況だったことが書かれており、数年後その女性と再会し、しかも、その手術の後生まれたお子さんを連れていて、女性は本当に生命力がすごいっていうエッセイが載っていますね。

ユングも生死を分けるような大病をして、夢に主治医が現れて、回復した後代わりに主治医がなくなってしまうというエピソードがありますね。

そのかわり、健康優良老人で、自他ともに絶対90以上生きると思っていたわたしの舅が何の前兆もなく突然死したり。

親が亡くなった時でもこんなに悲しくなかったというのは、星の影響をつくづく感じた今の私なら、ものすごく理解できます。

<ノラや>の気持ちも、ものすごくわかります。

百聞先生の金星に、ノラちゃんの冥王星が載っていたりしてwww

私自身病気がちで、子供をのこして死んでしまう可能性も無きにしも非ずと常に考えており、あの世とこの世は地続きである、死んでしまっても悲しくないんだよと、子供に話しかけることがあります。

悲しいのはしばしの別れなのだと思います。

それはやはり絶対的に悲しいものですね。

ブログの記事の奥様の心の中では、もしかしていったんワンちゃんはお亡くなりになったのかもしれません。そして生まれ変わったのではないでしょうか。

再会が地続きであったのですね。

今は生と死のことを、たくさん考える時期ではないかと思います。

亡くなる人が多くなる戦争などが起こるときなどは、死ぬ方も多ければ、奇跡の生還話も多くなるはずです。

このことを多面的にとらえるすず先生の素晴らしい記事と、記事になっていただいた奥様とワンちゃんに感謝です。



by RINA (2011-12-26 10:23) 

ままみ

すずさん、こんばんは!

私もこのような相談を受けたら、きっと一緒に泣いてしまうと思います。。

愛犬のエルちゃん、病名も分かり、無事日本に帰国できて本当に良かったですね。
飼い主さんの事を一生懸命支えようとする気持ちが、寿命を延ばしているのかも知れません。
生と死に関する事は神の領域でもあり、人間の強い思いもあり、占いでは計り知れない力が働くのかも知れませんね。

by ままみ (2011-12-26 22:47) 

リマーナすず

☆RINAさん、コメントありがとうございます!

よくよく見ると、T木星・T天王星は飼い主の方のN太陽やN月は
良いのですね。木星の幸運は受け身の姿勢で受け取れる
ものではないので、この方の必死の行動が、愛犬を
助けたことだけは確かです。

RINAさんがおっしゃるように、この方の中で
愛犬がいったん亡くなって
生まれ変わるというような
大きな心境の変化があったのではと思います。

願望を手放したとたん、あるいは現状を受け入れたとたん
状況が変化するという事象を目撃することがあります。

たしかに戦争や災害のときには奇跡の生還話が多数ありますね。
不思議な話がたくさんあります。
極限の状況において、何かが目覚めるのでしょうか。

普段、私たちが生きていること自体が見えない奇跡の連続なのかも
しれないですね^^
当たり前すぎて気付かないだけで。。。
by リマーナすず (2011-12-27 09:10) 

リマーナすず

☆ままみさん、コメントありがとうございます!

占いの結果が暗い場合、それを伝えることは
本当に難しいですよね。
一緒に泣くしかなくて、無力です。

愛犬のエルちゃんの、飼い主の方を思う気持ちが
命をつないだのでしょうね。
犬の愛は一途でいじらしいです。

生と死は神の領域で、占いでは計り知れないですよね。

今年の1月の話なのですが、
この頃、木星と天王星は魚座の終わりで合でした。
なんだか遠い昔のような気がします。

T天王星の牡羊座イングレスが起きた3月以降、
かなり意識が変わったのだと思います。
by リマーナすず (2011-12-27 09:33) 

rosemary

数年前に、
>N月N金星に対するT海王星の180度
の状態でした。
あの頃は毎日本当に辛くて、なぜこんなことにと思ったものですが、
記事を拝見して、まだましな方だったのかもしれないと思いました。
海王星の威力ってすごいんですね。

by rosemary (2011-12-27 20:25) 

リマーナすず

rosemaryさん、コメントありがとうございます!

T海王星の影響は
ワクワクするような楽しい出方もあるし、
苦しい出方もあります。

共通点はどちらも「幻」。

妙な新興宗教に洗脳されかかったり、
良かれと思ったことが裏目に出たり、
変な問題に巻き込まれたりすることもあります。

いろんなことが裏目、裏目に出て、
自信をなくすことがつらいですね。

霧に包まれるイメージでしょうか。
でも霧は晴れるんですよね。

いつかは必ず晴れます。
by リマーナすず (2011-12-29 10:36) 

rosemary

こちらの都合で何度も書き込みごめんなさい。
関係者に誤解を生むといけないかもしれないので、
補足させてください。

時期は5年ほど前で、慣れない札幌暮らしをしていた頃です。
泥沼にはまりこんで身動きできずにいるようでした。
今もまだダメージが残っています。
その後、T海王星が別のアスペクトをとった時に、
まさにコメントのお返事の内容そのままな時期がありました。
いい夢をみせてもらったと思っています。

by rosemary (2011-12-30 20:11) 

リマーナすず

☆rosemaryさん、コメントありがとうございます!

慣れない土地での暮らしは言葉では言い尽くせない
ストレスがありますよね。
「いい夢をみせてもらった」と思えることは
深い眠りから目覚めたということで
素晴らしいことだと思います。
この経験を糧にして、成長できたということです。
ダメージを受ける前より強くタフになっていますよ^^

by リマーナすず (2012-01-02 10:26) 

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