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料金設定について [鑑定]

DESにt海王星に近づくようになってから
鑑定料金について、さまざまなご意見をいただくことが多くなりました。


一部の同業者の方から
「見習いの料金設定でビギナー占い師の客を奪っているのでは」
「価格破壊」
「言わないだけで周囲は<はた迷惑>って思っていますよ」
「生徒さんがお気の毒」
などと、ご指摘を受けることもあります。

とはいえ、ありがたいことに
「安売りしてはもったいないですよ」
「もっと値上げした方がいいですよ」
優しく諭してくれる方が大半です。

以前はここまで不思議がられることはなかったです。
私自身は長年変わってないので、
現在の流れが低内容/高料金のスピリチュアル起業バブルなのだろうと
推測しています。カンタンに儲かりそうなのが魅力ですね。

あまり高額な料金設定にしないのは
自分がお客の立場だったら嫌だからです。
鑑定はフィールドワークでもあるので
たくさんの人を観るためにも依頼しやすい料金設定が
良いと思っています。

今日のお客様からも
「安く設定されているのは何か信念でもお持ちなんですか?」と
聞かれたので、良い齢して恥ずかしいですが
理想の存在について書いてみたいと思います。

25歳で占星術の鑑定をスタートしたのですが
その当時読んで影響を受けた本に<易の世界>があります。

山中浩之氏の書かれた「日本人と易」という章に
大川という名の易者が紹介されています。

引用させていただきますね
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 幕末から明治・大正期を生きた河内長野・滝畑村の
左近熊太翁は、五十六歳から七十歳までの間、
旅を共にして歩いた易者の大川という人のことを、
つぎのように語ったという。

 大川という人は易者をしてあるいても土地土地の
人情風俗をよくしらべては帳面にかきとめた。
それをまた行く先々ではなしてやる。
金をためることもしなかった。

「左近さん、世の中には困ったり苦しんだりしている
人が仰山いなはる。それがわしらの言う一言二言で
救われることもあるもんや、世の中にはまた人に
うちあけられん苦労を背負うてなはる人が仰山いる。
ま、そういう人に親切にしてあげる人がどこぞに
いなきゃァ世の中すくわれしません。
わしら表へたって働こうとは思わんが、かげでそういう人を
たすけてあげんならん」

 夜、宿屋で枕をならべているとき、よくそういう話をしてくれた。

「左近さん宿へとまりなはったら、女中はんに一番親切にして
あげんなりませんで・・・女子衆ちうもんは四六時中休まる間がない。
それで、女中はんはできるだけつかわんようにして、そのひまだけ
らくするようにしてやんなはれ」

 大川という人の話はいつもすこしずつちがっていた。
そしてそれを忠実に実行した。

 易をみるのは、すでに政治家でも学者でもなくなっていた。
庶民の生活の心の襞に分け入ることのできた人がよい易を
たてることができたのである。

 左近翁は大川翁ほどよい易をたてることができなかった。
百姓や漁師に満足のいく易をたてるには大へんな知識が
必要で、夜辻に立ってやるような易は易のうちにはいらぬという。
 易というものはそれが他人のためによかれあしかれ暮しをたてて
いくための指針になるものでなければならぬ。気休めだけではいけない。
それに易者が金持ちになるようでは私心があって本物でない。
易者は貧乏だが食うに困らぬというのが本物だと大川翁は
おしえたという。

引用終わり
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易と占星術という分野の違いはあっても
20代の私は大川翁のような人になれたら、と感銘を受けました。
それが48歳になった今でも残っているのかもしれません。
足元にも及びませんが。

いまどきのスピリチュアルとはまったく合っていません。
正直、古いですよね。
経済的にも成功して輝いている人が今は人気です。
でも私はできれば古いままでいられたら幸せなんだろうと思います。
それに、古いタイプの占星家は私の周囲に結構いて
特別おかしいとも思えないのです。

これから占い(またはセラピー)のお仕事をスタートしたい方は
他の方々を参考にされるのも良いと思いますが
価格、時間も含めて、自分にあったスタイルを見つけてください。
自分にあったスタイル=心地よい、ということです。
いろんなタイプの人がいたほうが多様性があってよいと思います。


易の世界 (中公文庫)

易の世界 (中公文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1994/04/01
  • メディア: 文庫








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