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水星-天王星について [ネイタルアスペクト]

昭和58年初版のルル・ラブア先生の
「星占い ホロスコープ入門」は、
もうボロボロなのですが、今でも参考にしています。

特にホロスコープの実例研究では
多数の有名人、歴史上の人物のチャートを
ルル先生が解説されていて、とても興味深いです。

<作家、小説家のホロスコープの章>の中で
直観力に富む天才型として水星-天王星のコンビを持つ作家が
とり上げられています。

少し、引用しますね。

<水星と天王星の座相は、直観力にすぐれたヒラメキ型の人を作る座相で、
時代性に対する認識や批判精神も鋭いのです。
文法的にも厳密な構成のしっかりした文章と、
ドラマティックな表現が特徴です。
この座相に加えて火星・木星などの吉座相があれば、
評論家・ジャーナリスト、レポーターなどを目指しても
かなり成功するでしょう。
作家や文筆家の場合、どちらかといえば日本では
水星-海王星のコンビを持つ人が多く、
欧米では水星ー天王星のコンビを持つ人が多いのですが、
これは情緒を重んじる日本と、批判精神を重んじる
欧米とのお国柄の違いによるものでしょう。>引用終り

たしかに天才肌の人が多いのですが、
天才と言われて喜ぶ人は、少ないのではと思います。
どちらかというと変人を自覚し
<普通>を目指す人が多いです。

もしかしたら、日本人であることも影響しているかもしれません。
ICの影響が強い日本は自由なアイデアや発展を抑圧する構造を持っているのです。

「長い物に上手く巻かれる」生き方ができず、波紋を投げかけてしまう。
木星や9ハウスがよければ、思い切って日本を出てみるのも
良いかもしれません。

すごく頭が良くて、素晴らしい才能を持っていても
片付けが出来ない、時間が守れないなど
当たり前のことがどうしても難しく悩む人もいます。
専業主婦の女性にはつらいアスペクトかもしれません。
苦手な分野は別の得意な人にお願いして、
その分、自分の得意な分野で貢献し、借りを返せば良いのですが
「女として最低」「大人として失格」と
できないことにフォーカスしてしまうと、
すっかり自信をなくしてしまいます。

神経の緊張が強く出て、向精神薬を飲み続ける人もいます。

普通であることは大切なことだけれど、人の数だけ<普通>はあります。
他の誰かと比べて同じレベルを目指す必要はないのです。
自分のことを「それなりに大丈夫!」と感じられればOKなんだと思います。

独特の知性の鋭さを持つゆえに、ある種の生き難さを感じるアスペクトですが
もちろん成功されている方もいます。

独創的なスタイルを確立し、スタイリスト、ライター、講師のお仕事をされている方のものです。
16年以上、プロとして活躍されています。
etsuko.jpg
水星は天王星冥王星のタイトな合。
土星とのオポジションは要領の悪さを意味します。
対人面で不器用なため決して媚を売れない。その分、仕事では信用されます。

自分のポリシーをときには否定され、
心が傷つく体験を繰り返しても、
左右されたり流されたりしないよう、ふんばる。
ただひたすらにコツコツと努力する。
一生懸命、誠実にひとつひとつ仕事をこなしていく。
その積み重ねがフリーランスとしての長年の実績に結びついていると感じました。

また「こういうテーマで仕事を展開したい」という鮮やかな、
ビジョンを持っておられるので、高確率で実現すると思います。

金星は双子座30度。少し前、編集者でありライター業もされている方を
鑑定させていただいたのですが、その方もASCがこの度数でした。
流行をキャッチし、魅力的にアピールする才能を現すようです。

チャートの方は占星術もされていて、なんと8歳からホロスコープを眺めていらっしゃるとか。
鑑定のお返しにと、私のチャートを読んでもらったのが嬉しかったです。
私にどんな色、ファッションが向いているか
アドバイスしてもらいました。
チャートを見ると普段どんな格好をしているかなども
スタイリストとしての勘と星から浮かんでくるイメージで、
大体わかってしまうんだそうです。

視点を変えればホロスコープもまだまだいろんな活用法ができることを
教えていただきました。

水星ー天王星の人に伝えたいのは
専門分野を持ってもらいたいということ。
ルル先生も書かれていたように
文筆家の適性があるので、どんどん書いてアイデアをカタチに
していくこともオススメです。
自分の発想を必要としている人はどこかに必ず存在しています。
せっかくの才能を宇宙から授かっているのだから、
どんどん新しいアイデアを発信していってください。

人から軽く扱われる?チャートについて [ネイタルアスペクト]

「私って他人から軽く扱われることが多々あるのですが、そういう星を持っていますか?」

という質問を受けました。なので真面目に考えてみようと思います。
実は、この質問はよくあるのですね。
そして私自身、<他人から軽く扱われる>ことが多かったように思います(笑)
でもあるときを境に、他人を見下したり、軽く扱う人は、その相手に対して
うんと油断しているので、「面白い!」と思ったんですね。
鈍感なふりをして、相手をじっくり観察する。

他人を軽く扱っている人の表情は独特の浅はかさがあります。
「ヤバイヤバイ!自分は気をつけよう!」と
自分を省みる<鏡>にさせてもらっています。

「軽く扱われるのは、甘く見られるのは、どうして?」という質問をされる方は
大体、月-木星のコンビを持っています。(私自身も持っています)
人が良く、おおらかに見えます。
万人受けするボケ風味を持っている人が多いです。

月-海王星があると厚かましい人に悩まされることも。
他人が、なぜ自分にたいしては厚かましい態度になるのか?と
首をかしげてしまう。
海王星作用で自分と他人の境界線が茫洋とし、
侵入したりされたり、といったことが起きやすくなるのです。

ネイタルのチャートが深刻でない場合、
T天体の影響などで一時的に不快な気持ちにはなっても
あまり落ち込まず、すぐに乗り越えることができます。

けれど<自分を軽く扱い、尊重しない人、自分を傷つける人>が
家族など身近な存在の場合、この悩みは相当に厳しく
ネイタルチャートには必ず現れています。
OTA2-1.jpg
夫との関係に悩み、離婚を考えている方のチャート。
パッとみてわかるとおりインコンジャクトが多く、
YODを形成しています。
そして10天体同士のアスペクトにオポジションがない。
この方は人と対立せず、そりの合わない相手と
自分を曲げ、無理をして合わせようとするタイプ。
当然、苦しいです。

知り合いにインコンジャクトがまったくない人がいるのですが
「無理!」とバッサリ関係を切ります。YOD持ちの私としては新鮮な驚きです。
「ええ?そんなに簡単でいいの?」と。
その分、敵や物言わずになってしまう相手が多いのですが、
気持ちの上で矛盾がないのです。
YODを含め、インコンジャクトは苦しい相手や状況合わせるといった面では
秀逸なのです。けれどその性質は自分自身を追い詰めることもあります。

チャートの方は太陽と月という重要な天体がタイトに巻き込まれた
YOD。軸となる天体は木星。この木星は本来の座にあって、なおかつ
統治星(ASCのルーラー)。とても強いです。

最初、何か宗教を信仰されていて、その教義を守っている方なのでは
と思いましたが、そうではありませんでした。

何教の何神というくくりがなく、内面に名もなき神を感じている方でした。
苦労の中にもありがたいことを見つけ
感謝するような家庭に育った方だったのです。
古きよき日本人とでもいうのでしょうか、
どんな物にも魂がこもっているから絶対に粗末にしてはいけない、
自分よりももっとも恵まれない人はいくらでもいるのだから、
不平不満はいわず、与えられた現状に感謝する。

鑑定をさせていただいて、私の方が
爪の垢でももらって煎じて飲ませていただこうか、
と思ったくらいでした。

でもチャートのほかの部分では
火星と天王星は月を傷つけ、
この方の感情は傷ついている。
火星はASCに対してもインコンジャクト。
屈折してる分、膨大な怒りのパワーを秘めています。
それが男性に投影され、
この方の持つ人間の良さのようなものを
尊重せず、傷つけます。

軽んじられて、傷ついても、
「私はまだまだ恵まれているから」と
木星が縛るので容易には逃げ出せません。
YODは何かのテストのように
ある状況へ追い込むのですが、
「これは何のテストか」と意識しておくことが
大切です。
離反や反目をするには、なかなか難しい配置です。

あるいは、徹底した現状への感謝によって
何かが変化する、開けるチャートかもしれません。

ホロスコープには全てあります。
傷つけてくる他人も、それを受け入れる自分、
そして、そのことに傷つく自分も、
全てが自分の中にあります。

究極的な言い方をすれば、
傷つける他人、自分を軽く扱う他人というのは
自分自身に他ならないのです。
他人に軽く扱われる人は、自分を軽く扱ってしまう人でもあります。
他人を尊重したければ、まず自分から始めなければなりません。

たとえば異性運の悪さ、金運の悪さ、というのは
チャートの中でエネルギーが滞っている、あるいは
統合されていないから起きます。
誰かのチャートではなく、自分自身のチャートの中で起きていることなので、
望ましい変化を起こすことができると、私は考えています。
ホロスコープ全体を所有するということです。
全部を受け入れ、好きになるということです。

チャートの方は、金星もとてもナイーブ。
繊細で傷つきやすいです。短所だと思わず
大切に守ってもらいたい性質です。
この方は1960年生まれで、会話の中で何度も
「年も年ですし・・・」という言葉が出ました。

けれど金星のサビアンは
「髪型をボブにした女」で内面の若々しさを示す
度数です。反作用なのかしら?あえて自重しているのかしら?
と興味深く感じました。
実際、このあたりに天体がある人は幾つになっても
若々しい人が多いです。
永遠の少年といった年配の男性とか。
年相応ではないけれど、魅力的に感じます。

リーディングを通してイメージの中を泳いで、秘めた可能性を
どんどん拾い上げていきたいです。
ガチガチだったものがほぐれ、呼応するように
現実も変わっていくと思います。


セレスについて [ネイタルアスペクト]

セレスは育む力、継続する力を意味します。
セレスが良いと、見返りを求めず、
努力を努力と思わず、ただ続けることができるので
ゆっくりですが、着実に成果を受け取ることができます。

先日、鑑定させていただいた方のチャート。
hosokawa.jpg
セレスが月とスクエアですが、なんとオーブが0度01分というタイトさ。
出生図アスペクトがタイトだと、HN図で強く出ます。
オーブ1度のタイトさでも、HN=10ではオーブが10度と広がり、
アスペクトが崩れます。
しかし、ここまでタイトだと、どれだけ数字をかけたところで、崩れない。
一生衰えることのない衝動として、この方を突き動かします。

お話を伺うとこの方は、一生懸命やってきたことに関して
突然バッサリ道を断たれてしまう
といった経験を何度もされているのだとか。。

セレスー月土星スクエアの象意として、
育てようとしていたものを、なぜか実らせることができずに
枯らしてしまう。

どうすれば、このアスペクトを有効に使えるのか?
ということで、HN=8、ハーフサムで職業運をチェックします。

ネイタルでのタイトなスクエアはHN=8ではタイトな合になります。
この合はネイタルの3ハウス木星と合。
sachi2.jpg
12ハウス冥王星-9ハウス金星-3ハウス木星のTスクエアに対する
母性的なアプローチ、ということになります。
女性相手の職業に適性があります。
妊婦や母親など胎児、幼児にも関連するかもしれません。
ハーフサムでこのセレス、月、土星の合は治療軸と家庭軸に触れているので
カウンセラーなど、女性の心身の悩み、家庭や育児の相談を受けたりといった
仕事が向いているようです。

この方のP新月は12ハウスカスプ上、乙女座16度で起きました。
ネイタルのセレスとオーブ2度で合です。
sachinewmoon.jpg
興味深い符号だと思います。
こういう符号を発見することがリーディングの興奮するところです。

P新月のサイクルは12ハウスのセレスに導かれます。
そしてP満月はなんと12ハウス冥王星の上で起きるのです。。。

9ハウス・セレスの上でP新月を迎えた方のケースですが、
幼児教育の専門家の方で、アメリカの大学で学ぶことを志し、
さらに研究を続けようとがんばっておられます。
山羊座の13度のP新月なので、やはり理想の教育、子供の可能性を開花させる教育
というテーマになります。

チャートの方だと、12ハウスのセレス付近の乙女座16度のP新月なので
胎児、あるいは虐待された子供、子供心に傷を負うような幼児期を過ごした人、
子供を亡くした人など、深刻なテーマを扱うことになるかもしれません。

この方はうんと小さい頃から、子供心には荷が重い話を聞かされて育ち、
大人になってからも何故か他人から深刻な打ち明け話をされることが多く、
苦しかったとおっしゃっていました。
「私は、ゴミ箱じゃない、、、」と。

それならばいっそのこと、きちんと勉強してプロになろう、
その方がより多くの人を適切に助けることができるし、
自分自身を守る術も学べるのでは、と
人生の方向が定まられたようです。

この方のチャートではキロンも多数アスペクトを持ちます。
キロンが関わる天体は傷を負います。
しかし、癒しというテーマも同時に与えられるので、
この方は天性のヒーラーでもあります。

これから進まれる道は、生半可な道ではないかもしれません。
けれど、勉強を続け、
今度こそ、成果を実らせて欲しいと願っています。







金星-冥王星について [ネイタルアスペクト]

冥王星はピンチのときにカチッと入る大きなパワーのスイッチです。

たとえば月に絡むと安心感とは程遠い幼児期を送りがちだし、
水星とアスペクトすると、異常な集中力で勉強する人になるし、
金星と絡むとお金や恋愛に関して桁外れの情熱を持ちます。
集中と脱力。人生にはっきりとしたコントラストを作り出します。

今日は金星-冥王星について。
金星-冥王星は比較的、よく見られるアスペクトですが、
同時に太陽、月が火星などマレフィックと絡んでいると
要注意の配置になります。

16年前、私は空港のお店で働いており、
そこで勤務されている方々にお願いして
無料で占わせてもらっていました。
職場には女子大生から70代のパート女性まで幅広い年代の女性が
たくさんいて、皆、喜んでサンプルになってくださいました。
今でも、とても感謝しています。

ある50代の女性を占わせてもらったときのこと。
「あなたの言うことって、私のことではなくて
主人のことばっかりだわ」と笑われました。

お勤めされている方だから、太陽をメインにリーディングしていたのでした。

その方のチャートは太陽-海王星のトライン、
月、金星の合にたいして冥王星がトラインという配置。

「主人はとてもお人よしで、人に持ちかけられた借金や保証人の話を
断れなくてホイホイ受けちゃう人なの。
抱えた負債を私がこれまた苦もなくホイホイ返しているっていうわけ」

そういって、その人は笑顔で教えてくれました。

「すごいなあ。私なら思いきり苦にしちゃうだろうなあ・・・」
きっと冥王星のパワーなのだろう、そう直感しました。

その方は、子供たちを大学にやり、孫もいる方でした。
自身も働いて、家庭を切り盛りして子供たちを育てるだけでも大変なのに、
他人の負債まで背負って、大変な苦労だったと思います。

それでも、<苦もなくホイホイ>と言って笑える強さに冥王星パワーを感じます。

とにかく、お金と愛情に関するパワーは桁外れ。

付き合っていた彼が心変わりして他の女性の元へ去っていったのに、
彼の車のローンを黙ってずっと支払い続ける女の子もいました。
彼女は、彼が自分のところへ戻ってくる、と信じていたようです。
金星・火星の合に対して冥王星がスクエア、
月と太陽はスクエア、月-土星-天王星のGトリンを持っていました。

「いつも尽くし過ぎてヘトヘトになっちゃう。結婚したら、これが毎日だと思うと
とてもじゃないけど無理。だから私は愛人タイプなの」
と自己分析していました。

金星の持つ、お金、愛情といったテーマをコントロールできる可能性。
それが金星-冥王星のコンビです。
だから莫大な財産を築いたり、莫大な負債を返済したり、
愛情に関しても、徹底的に尽くしきることが出来るようです。
その分、復讐心を燃やすことになったりすると
かなり怖い人になる可能性はあります。。。

気をつけたいのが、金星に土星や火星が絡み、冥王星とハードアスペクトで関わる場合。
前述の女の子のように、金銭的な負担を負わされるケースもありますが、
火星ー冥王星は暴力に関係するアスペクトでもあるのです。
もちろん、ハードワーカーとして
あり余るエネルギーを建設的に活用されている方が多いのですが。

不倫相手から暴力を受けている女の子も、
木星、天王星、火星・冥王星の合に金星がスクエアで絡んでいました。
しょっちゅう顔を腫らし、濡らしたハンカチで冷やしながら仕事していました。
ロッカーで一緒になると、腰やわき腹が青あざだらけでビックリしたことも。

「別れた方がいいよ!暴力ふるう男なんて最低!」と思わず言うと、
「でも、彼の暴力、私が受けとめてあげなきゃ。
それに殴った後はとても優しいの」と微笑んだ彼女。
これ以上、何も言うことはありませんでした。

彼女は、自分が彼の暴力を受け止めてあげているから、
奥さんや子供に危害が及ばないのだ、と考えていました。
彼の家庭を守るための、不倫。

けれどそれは彼のためといいいながら、
全て自分の金星を痛めるためなのです。
しかし人から言われて止められるようなら、そもそも
出生図にこのアスペクトを持って生まれないでしょう。

自分で「このパターンはもう十分だ。味わい尽くした」と思えるまで
とことん付き合うしか方法がないのかもしれません。


愛情やお金に関してヘビーな体験をしがちなコンビですが、
出生図になくても、トランシットやプログレスで金星ー冥王星がアスペクトすれば
一時期、やはり深刻な体験をする可能性があります。

そういうときは出生図に金星ー冥王星を持つ人の人生観や哲学を参考にすると良いかも。
漫画家・エッセイストのさかもと未明さんのチャート。
mimeisakamoto.jpg
作家の作品を味わったあと、ホロスコープでも世界観を味わうのは
占星術の楽しみの一つです。
火星金星に対する、冥王星天王星の合と土星のスクエア。
時間不明なので月がどの程度関わっているか微妙ですが。
硬派なお金の哲学を持っておられます。

エッセイを読むと彼女は徹底した金銭管理で40歳でマンションのローンを完済したとか。
「このどん底こそが私を磨く!ビバ貧乏!」という台詞に大ウケしました。
お金がないときこそ、貯金のチャンスなんだそうです。
ただ、金星、土星、冥王星ハードアスペクトの場合、執念で何でも手に入れてしまうけれど、
ごく当たり前のものが手に入らない傾向が。
冥王星は異常な力を発揮できる分、普通さ、平凡さ、当たり前に享受できるものを
脅かすのかもしれません。
そもそも普通に満たされていたら、冥王星は必要ない?

T冥王星がそろそろN金星に近づくわ・・・」という人で
金銭感覚を変えたい人は参考にしてください。

ピンチは今までの自分を変えるチャンス。
冥王星が関わる天体は、いちばんエネルギーが枯渇し、ツイていないときがチャンス。
あるとき、より深い力の源にコネクトします。


さかもと未明の「貯まる!」生活術

さかもと未明の「貯まる!」生活術

  • 作者: さかもと 未明
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2009/03
  • メディア: 単行本



金星-土星について [ネイタルアスペクト]

金星と土星のコンビについて
話したいと思います。

金星ー土星は生真面目で有能な人をつくることが多いです。
常識的で堅実、安定した職業に就いていたり、
資格やスキルを持っている方も多く見られます。
蓄財能力に優れる人も。

両親の目を意識していた<良い子>から
世間の目を意識する良識ある大人へ。

金星ー土星は社会生活を送るうえで
有利に働く面が多いです。

不妊で悩まれている方のチャートに
いちばん多く現れるのは
太陽ー土星のコンビですが
金星ー土星のコンビも見られます。

卵胞が育たないなど、主に卵巣機能の問題を抱えます。
月が絡めば、子宮内膜が厚くならないなど
やはり土星特有の症状が出現します。
金星は女性ホルモンの働きを支配するので
土星はそれを制限してしまうのでしょう。

子供はつくるものではなく、本能に従った結果、
出来てしまうというのが自然だと思います。
この<本能に従う>という感覚が
節度があり慎重な金星ー土星の人にはなじまないのです。
土星にしつけられ、抑圧されてきた金星が
その力を解放されてしまうと後には戻れない、
おさまりがつかなくなる不安を感じるのでは。
要するに、金星は臆病な性質を帯びます。

なので金星ー土星の人は恋愛も結婚も出産も遅れがちな傾向です。
出産はタイムリミットがあります。
そして高齢出産に対しては、ネガティブな情報が溢れているので
気持ちが怯んでしまうことも多いと思います。

「子供が成人したとき私はいくつだろう?」
「障害児を産んでしまうリスクは?」
「高齢での育児は大変だろうか?」
「仕事と育児の両立は?」

いろんなことを考えに考えて、結局あきらめてしまう人も
多いと感じます。

「子供が欲しい」という気持ちは
卵(金星)の気持ちなのか
両親など社会からの求め(土星)なのか
感じてほしいと思います。

おそらく両方あると思うのですが
土星が強いとストレスやプレッシャーになってしまう。

もしそれが身体の奥底の、<卵>の求めなら希望が持てます。
年齢にとらわれないで欲しいです。


リラックスすると授かる、治療を休むと授かったという体験談を
あまりにもたくさん聞くと思います。
私の高校時代の恩師も、小さなお子さんがいるのですが
長い間、ありとあらゆる手を尽くしても授からず、
「もういっかー」とあきらめたとたんに
まさかの自然妊娠で授かったとか。

じゃあ子供が欲しいという願いを手放せばいいんだね!
ということですが、なかなか言葉で言うほど簡単ではないと思います。

それは金星ー土星が努力の人だから。
いろんなものを真面目な努力によって、手にしてきたというスタイルが
身についているから。
だから出口が見えず苦しい不妊治療もとことん取り組んでしまう。

金星ー土星のアスペクトは、土星を敵対視する、土星を影にしてしまう人と
土星を意識して、身につける人に分かれます。
前者は土星が両親や上司など社会の形をとり、過度にストレスを与えてくる。
後者はそれらの影響と上手に付き合い、自分で判断し安定したスタイルを確立している。

年齢を重ねるにつれ、土星が安定して使えるようになってくるので
金星が土星の範囲内で、のびやかになります。

なので金星ー土星の人は、高齢出産でちょうど良いのかもしれません。

年をとればとるほど、若い頃より自由に金星を使えるようになってきます。
(夢中になったりワクワクしたり、恋をしたり、キレイになったり、etc...)


続きます








海王星活用法 [ネイタルアスペクト]

海王星について書きたいと思います。

海王星は扱いが難しい惑星です。
タッグを組む天体によっては、
「好事魔多し」的な現れ方をする場合も
少なくありません。

持ち上げておいて、落としてくるので、
否定的な出方をすると、失望感を常に抱えることに
なりがちなのも特徴の一つです。

この星を扱い慣れることは、特に出生図において
海王星が効いている人にとっては必須だと感じています。

占い師は特に、海王星を活用している方が多いですね。

私がアルバイトしていた西東京市の古本屋の奥さんは
海王星の効いたチャートの持ち主でした。
konndou.jpg
四柱推命・算命学をされている方でしたが
私が何よりすごい!と感じたのは
この方の夢判断なのです。

結婚して5年目のお正月の晩、、
私は透き通ったアクリル板の大きな水槽の中で
大きな海亀がゆったりと泳いでいる夢を見ました。

その話を奥さんにしたら、

「ああ、赤ちゃんが生まれるわねえ。女の子ね。」

なんで女の子なのですか?と私が驚いて聞き返すと

「まあ、あなた何言っているの。亀といえば女でしょう」

???・・・そういうものですか(汗)

けれども二週間後に妊娠していることが判明したのでした。
夢解釈をしていただいたおかげで、私は妊娠二ヶ月という
早い時期から用心することが出来、無事長女を出産しました。


またある時などは、私が見た夢がとても悪いものだったらしく

「頭が痛い。急に気分が悪くなってきたわ」

といって自宅に帰られたこともあります。

「夢は私が見たもので、奥さんが見たわけではないのに、
大変なことだなあ」

と驚きました。

けれど、これこそが海王星の働きで、
夢は広大な無意識からのメッセージなのだから
すでに共有しているものなのです。

夢は、誰が見た夢でも関係がない。
イメージ力やビジョンを見る力が強い場合は
影響を強く受けてしまうと感じます。

占い師がクライアントの悪い気を受けてしまって調子を崩す、という話がよくありますが
これも同じ原理なのだと思います。

私自身は不思議なことに、ホロスコープを表示している限り大丈夫なのです。
チャートには必ずポジティブな動機が現れているものだからでしょうか。
一時的には悪く感じても、後からすごく良かったと評価できる、
そういう可能性をホロスコープはたくさん秘めています。
それらに気付けるよう意識を切り替える手伝いをすることが
占星術の役割なのでは、と感じます。

それにやはり<西洋占星学>というだけに、土星-天王星の学問なのでしょう。
学べば誰もが活用できる。

私もチャートの第一印象は大切にしつつ、
手順どおりにリーディングします。
直感を検証するカタチになりますが、
たくさんの符号を見つけると嬉しくなります。

強調されているもの、あるいは目立たないけれど鍵を握っているもの、
それが、その人の使命のイメージを喚起させてくれます。

けれどもシンボルリーディングというのは
やはり海王星のお家芸なのでしょうか。

夢判断もされるマドモアゼル愛先生は海王星、火星が合。
松村潔先生も2ハウスの火星金星の合と8ハウスの土星海王星合がオポジション、
6ハウスカスプ上の冥王星が調停に入るといった強力な配置です。


さて、先ほどの海亀の夢ですが、
赤ちゃんが欲しい、女の子を産みたい、という方と
共有したくて、書きました。

私が見た夢なのですが、誰でも活用できるはずです。
ゆったりと泳ぐ海亀と大きな水槽です。
イメージしてみてください。もうあなたのものになりました!

イメージは自分ひとりのものではないのです。
幸せなイメージは自分だけではなく、みんなを幸せにします。





芸能人のチャート [ネイタルアスペクト]

占わせて頂いた方に
「私も占星術、勉強します」って言っていただくと
とても嬉しいです。

けれども厳しい星の暗示に、
「なんでこんな星のもとに生まれてしまったんだろうなあ」
って思ってしまう方も多いと思います。
私自身もそうでした。

そんなときは教科書と、自分のチャートから離れて、
とにかくたくさんの人のチャートを見ることを
オススメします。

先日、YODについて書きましたが、
芸能人など有名人に持っている方が多いです。
出生時間までわからない場合がほとんどですが、
じゅうぶんリーディングは可能です。
月の度数の誤差が最小になる正午で作成し、
ハウス区分は使えないので
ASCを太陽の度数にするソーラーチャートにして読みます。

YODのサンプル、ということでダウンタウン松本人志氏のチャートです。
hitoshimatsumoto.jpg

金星を軸とするYODがありますが、
ここは乙女座ステリウムをYODに含むと解釈します。

(ステリウムの定義:
 グループの中に太陽か月があること、
 グループの中に土星か土星以遠の天体があり、
 グループ以外の天体とタイトなメジャーアスペクトを形成していること
 グループの天体の大部分が同一サインにあること
 グループにASC、MCが含まれていること)

木星と土星という社会性の天体に平均的な水準に調整されることによって
彼の才能が広く一般に受け入れられました。
このYODがなければ、メジャーにはなれなかったのでは。
もちろん本人にとっては自分の表現したいことをそのまま出せません。
つねにギリギリの調整、妥協、切磋琢磨が必要なため苦しいはずです。

しかし、このチャートでいちばん重要な鍵を握っているのは、
水星です。この水星は金星とミューチュアルレセプション(支配星交換)し、
しかもノーアスペクトです。
ノーアスペクトの天体の働きは引っ込むか過剰に働くか
どちらかなのですが、どちらにしても本人がこだわり続ける分野を示します。

どのチャートを読むにしても、YODだけ、あるいはTスクエアだけをピックアップして
判断することはできません。チャート全体が奏でるハーモニーに耳を傾けることが
占星術の醍醐味でもあります。

松本氏の水星は天秤座の5度。水星は逆行しているので内省的な性格です。
ごく少数の親しい仲間との、本音の語らい、
共感してくれる友人との会話の中で、
自分の本心や新たなアイデアを発見していくタイプです。

乙女座に4天体もある彼はとにかく防衛心が強い。潔癖で、傷つかないよう汚されないよう
出来るだけプレッシャーを避けて自分を守って生き延びてきたはず。
遠慮して周囲の意向に沿ってきたと思います。
魚座のキロンはそんな彼が凹まされ、傷つけられたことを示します。
けれども自然に縁が出来た親しい人との関係の中で
安心感を育くむことで救われています。

太陽(もしかして月も)とアスペクトする
海王星とキロンはオーブ0.01のタイトさ。

ここまでタイトだとあらゆるハーモニックでもこのコンビが現れ、
もはや呪縛といって良いかもしれません。
異常に過敏な神経。腫れ物に触るような繊細さ。
この衝動はやはり何かに振り向けなければつらいでしょう。

映画監督に海王星-キロンのコンビはよく見られます。
(デヴィット・リンチはHN5で海王星-キロン・木星の90度を持っています。)
今後は、映画制作がライフワークになるのでは。

ところで松ちゃんといえば、昨秋に赤ちゃんを授かったばかり。
hitoshimatsumoto4.jpg
P太陽は誕生日を過ぎてすぐ、蠍座へイングレス。
進行の太陽は30年ごとにしかサインを変えないので
大きな切り替わりの時期といえます。
46歳ということで火星から(火星もノーアスです)木星へ移行します。
人並みに着地したという感じです。

興味がそそられるのは冥王星。
P太陽に対してT冥王星がセクスタイルです。
年齢HN図でも金星と冥王星はトラインです。
やはり蠍座や冥王星のイージーアスペクトは生殖に関係するのですね。
子供の欲しい人はおおいに期待できる星回りかもしれません。

、、、、という具合に芸能人のチャートをざっくり読んでみる、
あるいは親しい人のチャートを丹念に読んでみる。

ある日、自分のホロスコープに対して見方が変わっていることに
気付くはずです。
自分がこの世に誕生した瞬間の図です。
良い点をたくさん引き出せるよう愛情を持って
接することができれば、と思います。





YODについて② [ネイタルアスペクト]

YODをチャートに持っておられる方は比較的多いと思います。
1950年~1997年生まれの方が
冥王星-海王星、天王星-海王星、冥王星-天王星といった
セクスタイルを持っているので
これらのコンビを含むYODが出来やすいのです。
出生図でYODはなくてもPやT天体で変則YODが形成されます。
その時期はYOD的な体験をしがちでしょう。

出生図でのYODで軸となる天体が木星や土星の場合、
世代的なアスペクトであるといえます。
kurodasayako-1.jpg
黒田清子さんのYODです。
土星を軸とする木星・天王星-海王星の世代的なコンビに
人生の目的を意味する太陽が加わっています。
皇室にお生まれになって制約の多い人生であると推察できますが
ご自分の運命を認め、受け入れていらっしゃると思います。
彼女にしか果たせない役割、可能性、発展があります。

家系的なしがらみ。
あるいは比較的自由であるが、
人生に大切な目的があるように
思われるのに、すっかり度忘れしてしまっている、
本当の生を生きていない感覚に悩まされる。
YODのアスペクトにカルマ的な意味が与えられるのは
このためかもしれません。

YODはヘブライ語で10番目の音です。
タロットでは10番目のカードは「運命の輪」。
旧約聖書の唯一神ヤハウエ(yahweh)を
意味するとも言われています。
試練を「神のおためし」と表現するのは
<ヨブ記>から来ているのでは、と思われます。
仏教やヒンズー教では逃れ難い試練を
宿業や因縁と言いますが
たとえ無宗教であってもヨブ的な試練を味わったり、
宿業といった体験をすることはあり得ます。

ここ数日はYODのアスペクトに関連して
V・E・フランクル(「夜と霧」の著者。アウシュビッツから生還した心理学者)の
著書を読んでいました。
なぜか私の頭の中で<YOD>-<ヨブ記>-<フランクル>とつながったからです。
フランクル思想の根幹といえば
「私は人生に何を期待できるか」と問うことから
「人生は私に何を期待しているのか」と問うことへの転換です。

占星術では「私は未来に何を期待できるか」という問いを
によって星を読むことが多いです。
チャートは宝の山のようなものですから
いくらでもその問いに答えることが出来そうです。

けれど、「この星回りは私に何を期待しているのだろうか」
と問うこともできます。
そうすれば、この瞬間、瞬間、自分にとってベストを尽くす
という生き方が可能です。

YODを持つ人はもともと
スピリチュアルな責任に敏感であると感じます。

すっかり忘れてしまっているものの、
全ての人は例外なく宇宙と約束して生まれてきています。
その約束が象徴的に記されたものが、出生図。
生まれた瞬間の星を最大源に昇華させて
今この瞬間の時間を生きているかというと
正直なところ、出来ていません。
けれど、運命はどんな風に生きることを自分に求めているのだろうか、
という観点でホロスコープを読むことは
持って生まれた星に責任を持ち、楽しい体験も苦しい体験も
意味のあることにしていくということです。

全ての星回り、あるいはこの瞬間、瞬間を
自分を力づける意味を与え続けるということは
これはもう、すごい人生になるんじゃないか、と
思えるのです。







それでも人生にイエスと言う

それでも人生にイエスと言う

  • 作者: V.E. フランクル
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 1993/12/25
  • メディア: 単行本



YODについて [ネイタルアスペクト]

YODのアスペクトには深い思い入れがあります。
自分自身がネイタルで持っていること、
それをどう読めばよいかわからなかった時期が長かったこと、
そして、この方のチャートに出会ったことが
大きいのです。
yamasiya-yod.jpg
15年前、私はP新月期であったということもあり、
何かをスタートさせなければならない衝動にかられていました。
その頃、空港に勤めていて、
とにかく武者修行のつもりで空港で働いている方々を
無料で占わせてもらっていました。

「占いをされているんですって?私の息子を占ってもらいたいのですが」

ある日、空港警備員の制服をきた年配の女性に声をかけられ、
息子さんの出生データを書きとめたメモを渡されました。
その日の帰り、私は喫茶店でその方のチャートを作成したのですが
(当時は手計算でした)
天体のほとんどがW-YOD(YOD+semi-YOD)に参加する配置。
まったく読めずに頭を抱えました。
わからない、と正直に白状するしかありませんでした。

「息子さんにはYODという配置があります。
別名、<神の指>と呼ばれる配置で、
なんらかの宿命を背負って生まれてきています。
運命的な拘束を暗示し、人生の厳しい出来事は
神様のおためしによるものかもしれません。
何か、お役目があるのでしょうが、
残念ながら私にはわかりません。
YODには土星が関与しているので大器晩成型の人といえます
<天才の配置>という異名があり
専門分野、特殊な分野で秀でる可能性があります」

大体こういう内容のことを書いた手紙を渡しました。
数日後、お返事をいただきました。
「私の息子は16歳のときに交通事故に遭い、
下半身麻痺、左半身不随になりました。
大器晩成、良い言葉ですね」
手紙には三万円同封されていましたが
私には受け取る資格がないと思えたので
お返ししました。

星の厳しい暗示に打ちのめされました。
YODがハードアスペクトであることは
理解していましたが、こういう形で自由を
奪うことを知り、恐ろしく感じたのです。
(12ハウス-6ハウスのオポジションを軸に
形成されるW-YODになっています。
海王星は麻痺を意味します)

その後、沢山のYOD、W-YODを観ましたが
必ずしも事故や病気に結びつかないことも
理解しました。

ただYODを持つ多くの人が

居場所のなさ
自分は他の人とは違うという違和感、
特殊な人間であるという感覚
何らかの使命を持って生まれている確信

を感じているということです。

画家のモネの言葉がYOD的な性質を端的に表していると思います。
「私は絵を描くこと以外は、まったく無能な人間である」

これだ!と思うハマリ役が自分の中で見つかるまでは
自分探しを続けなければならない苦しさ、心もとなさ。
見つけれられれば、苦しくとも大変な喜びであるということ。

私はYODをタロットの<吊られた男>と結びつけて解釈しています。
アスペクトの形がなんとなく吊られた男と似ているし、
カードの意味とアスペクトの意味が似ているので。

吊られた男は体の自由を奪われて逆さ吊りになっています。
体が不自由な分、精神活動はどんどん活発になっていく。
それは恍惚であり、喜びであるのです。

<スピリチュアルレッスン>の著者のデニス・リンは17歳のとき
後ろから車で轢かれ、車から降りてきた男に銃で撃たれました。
彼女は誰の目から見てもまったく落ち度のない被害者でしたが、
ある日、彼女は被害者であることを止めました。
「この経験を通じてどれほどの知恵を手に入れたかに目を向けた」のだそうです。

私自身、もうどうしようもない困難や束縛、苦しみに出会ったとして
果たして、かけがえのないギフトだと感謝できるだろうか。
そして今、困難に直面している、あるいは精神的な危機を迎えている人に
対して、同じように感じることが出来るだろうか。
いたずらに同情しない、ということは占い師にとって最も必要な資質だけれど
私は感情移入してしまうところがあるのです。

困難に向き合い、受け入れている人には高い境涯があるものです。
私は彼についても、こう信じています。

「下半身と左半身の自由を神様にお返しして、代わりに
どんなギフトをもらったんだろう。彼はそのギフトの存在に
きっと気付いているだろう」

土星-冥王星 活用法② [ネイタルアスペクト]

「平和で穏やかだとやる気が出ないので、
いつも逆境でいるにはどうすればいいか教えて」

という相談を受けました。

rikako.jpg

最近、家族や親しい友人が
「そんなにがんばらなくてもいいのに」
と言われることが多くて悩んでいるのだとか。

彼女からすれば、
「この程度のことはがんばっているうちに入らないし
当たり前のこと」の範疇なのに、
周囲からは手を抜いた方がいいと言われる。

けれど、ハードルの下げ方がわからない。
なぜなら自分にとっては普通で当たり前のことだから。

彼女はどの分野で周囲から「がんばりすぎている」と
言われているのか。
それは「家事と子育て」です。

土星-冥王星の90度にASCと月が絡んでいます。
徹底した厳しさがパーソナルな分野で発揮されます。

彼女は友人なのですが、小さい子どもが二人いるのに
家の中がいつも隅々まで掃除が行き届いています。
探し物などしたことがないらしく、もはや憧れの存在です。

ただ、両足を骨折したときでさえも
家中の雑巾がけを毎日かかさなかったときいて
「なぜそこまで?」と正直なところ感じました。
でも、それが彼女の性分なのです。

常に自分に課題を出し続ける厳しさは、
家族にも向けられていて、
子どもの担任の先生からは

「もっと褒めてあげてください」
「もっと抱きしめてあげてください」
と言われるのだとか。

でも彼女からすれば、
厳しく接するのは子どもへの愛情からだし、
自分の目から見て、努力が足りていない子どもを
嘘でもいいから褒めるというのは違うのではないか。
長男だから、甘やかしたくはない。

彼女だけでなく、こういう悩みの母親って多いのでは、と思います。

彼女自身の子どもの頃の話を聞くと

両親から褒められたことはなかった。
何事も出来て当然、当たり前だった。
だから正直、子どもをどう褒めていいかわからない。
父親は理不尽に厳格な人だった。
自分のわがままで家族を振り回す人だった。
虫の居所が悪いと激昂する人だった。
父親が理由もなく母親を殴っているのを日常的に見て育った。
母親が働いて、家計を支えていたので
家事は長女である彼女が分担していたけど
それは、「やって当たり前」なことだからと
労われたことなどなかったそうです。

幼い頃から家庭は安らげる場所ではなかったし
油断のならない場所だった。
だから、いまさら
「がんばらなくていいんだよ」
「のんびりしてていいんだよ」
と言われても居心地が悪いのですね。

生まれ育った家庭がいびつに感じられる分、
自分が築く家庭に対する思い入れは強い。
そして心許せる身近な存在に対しては
自分の流儀を押し付けることになってしまう。

自分に対しても家族に対しても
どんどんハードルをあげていってしまう。

ホロスコープをリーディングする際には
一見、否定的に見えがちな影響に
ポジティブな意味を与え、肥やしにしていくことが
大事だと考えます。

土星-冥王星は世知辛さを意味しますが
もともとネイタルで持っているということは、
耐性があるということです。
なので困難に対しては気持ちで負けないし、
転んでもただでは起きないし、
選択肢をいくつも検討し、
シビアに抜け目なく行動します。
貧乏くじは引きにくい人といえそう。

彼女が逆境の方が調子が出るというのは
本当です。
ただ、いたずらに壁や障害を求めるのは
もったいないです。

せっかく努力、忍耐力、持久力というものが備わっているのだから
<心から実現させたい目標>に気付いておくことが
いちばん大切です。

けれど、他人から見てどう、とか世間体とか
そういう考えを核にして、超努力を自分にも周囲にも
強いるとなると、これはつらいし、いつまでも不安なままです。

もう一度、意図を明確にしてみる。
現実問題の中で、自分の目的、
努力する意味をしっかりつかんでおくこと。

そうすると信念が生まれます。
信念と努力、忍耐力、持久力という特性が結びついたら、
これはもう、成功するしか道はないとさえ思います。

土星-冥王星のコンビはアスリートにもよく見られます。
自分の限界を超える、自分に打ち勝っていく力を与えます。
<研鑽を積む>という言葉がピッタリきます。
専門分野を持つと良いです。

1970年代前半生まれは天秤座の初期度数に冥王星があり、
今、T土星がのっていますね。

今、もしつらい状況なら、それはどういうテーマを
自分に投げかけているか、向き合ってみてください。
そしてポジティブな意味を与えてみてください。

冥王星を目覚めさせるチャンスですよ☆






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